首里の文化財の石
2012年 05月 15日
首里の文化財に使用されている石は主に①中国福建省産の青石(チンシー、輝緑岩)②沖縄産のニービの骨(小禄砂岩)③琉球石灰岩④久米島産の安山岩(グリーンタフ)⑤鹿児島産の溶結凝灰岩⑥沖縄島北部の嘉陽層砂岩でした。
①青石(チンシー、輝緑岩)は首里王府が自らの権威を示すために、わざわざ遠い中国から輸入した高価なもので、王の業績を記した石碑や首里城正殿などに多く使われているそうで、今回、回ったものでは、円覚寺礎石、
円覚寺放生橋高欄、
瑞泉の龍樋、
守礼の門礎石、
玉陵石厨子・石獅子・碑文などに使用されていました。
②ニービの骨(小禄砂岩)は彫刻がしやすい岩質(均質、軟質)なため、天女橋高欄、
玉陵欄干、
園比屋武御嶽の屋根の棟石・懸魚・火焔・宝珠、
龍樋の周りの瑞泉を讃える七基の碑、
守礼の門敷石に使用されていました。
③琉球石灰岩は軟質で容易に加工し、大量に入手できることから、首里城の城壁、
円覚寺放生橋板石、天女橋板石、
園比屋武御嶽本体に使用されていました。
④安山岩(グリーンタフ)は沖縄県師範学校附属小学校跡の碑、
沖縄県立芸術大学の碑、
歓会門前の一対の石獅子、
守礼の門の控柱と柱の挟石に使用されていました。
⑤溶結凝灰岩は沖縄県師範学校跡の碑の両脇にある門柱、
弁才天堂の手水鉢・石灯籠に使用されていました。
⑥嘉陽層砂岩は沖縄県師範学校跡の碑に使用されていました。
それぞれの石がその特徴を生かしてうまく利用されていのがよく解り、文化財を違った側面から楽しむことができました。