戦争遺跡と写真展
2013年 07月 18日
講師は沖縄国際大教授の吉浜忍さんでした。
現在、沖縄戦体験者が人口の2割を切り、やがて戦争の「記憶」が語られなくなる時が来るが、その時に体験者に代わって、半永久的に戦争の「記憶」を語ることができるのが、戦争遺跡であり、戦争遺跡は沖縄戦の「生き証人」であり、「語り部」である、とその価値を定義していました。
県内に残る979件の戦争遺跡の一部をスライドで見せてもらいましたが、
米軍基地や自衛隊基地の中にある戦争遺跡は破壊されず残っていることが多いが、
他のものは保存対策をしっかりしないと開発でどんどん破壊されていく!とのことでした。
その例として、宜野湾市では「戦跡」をまとめた本が発行されていますが、浦添市にはたくさんの戦跡があるのに放置したままだし、市の宅地開発で陸軍壕が破壊されているのは問題だと感じました。
それに、最近は各自治体でも戦争遺跡巡りが盛んになってきているが、みんな南部へ繰り出しているのが現実で、もっと地元の戦跡を掘り起こし、大切に活用することの重要さが語られました。
また、県内のこどもたちの平和学習や他府県の修学旅行での平和学習に役立てるためにも戦争遺跡の保存の意義は大きいと語られました。
ちょうど、宜野湾博物館では「イクサユーヌじのーん(戦世の宜野湾)」の写真展も開かれていて、
沖縄戦のさなかに本土攻撃と南部戦線への物資輸送のために米軍によって普天間飛行場が作られた様子も知ることができてよかったです。