平和祈念公園の石巡り
2010年 10月 02日
去年、一回目の観察会があって好評だったので、今年も!ということになったそうです。
慰霊の塔に使われている各都道府県の特徴的な石が見られることを期待して参加しました。
最初に訪れたのは、毎年6/23の「慰霊の日」の平和祈念式典が行われる「平和の丘」のモニュメントでした。
「平和の丘」の文字を彫り込んだ岩は、沖縄の久米島で採れるアンザン岩(安山岩、アンデス山脈を作る岩の意味)でした。
白黒のドーナツ状のモニュメントは、白い部分は琉球石灰岩ですが、黒い部分は人造石だそうです。
床に張りつめた灰色の石板も人造石だそうで、よくできていて説明を受けなければわからなかったです。
栃木県の案内表示の岩は、地元産の砂岩(海底で砂粒が堆積し、固まってできた岩石)でした。
千葉県の案内表示の岩は、地元では採れない巨晶カコウ岩(巨大な鉱物の結晶を持った花崗岩、ペグマタイトともよばれる)でした。
群馬県の献花台は、地元産の多胡岩と呼ばれる砂岩でできていました。
その後ろにそびえるような二本の岩は、地元産の青石と呼ばれる変成岩(最初あった岩が地中の熱や圧力によって変質してできた岩)で、その前にある黒い岩は、浅間山が噴火した時の溶岩だそうです。
富山県の慰霊の塔は立山をイメージしているようにそびえていましたが、
まん中の黒い部分は人造石で、両端に3cmほどの厚みで張り付けてあるのは、地元では採れないカコウ岩(花崗岩、神戸市の六甲山の御影でよく採れたので、御影石ともよばれる)でした。
埼玉県の慰霊の塔の横には、地元産の大谷石と呼ばれる緑色凝灰岩(海底で火山灰が降り積もってできた岩石)が据えられていました。
ブーゲンビル島で戦死された方を慰霊する碑は、
本部町の中生代の石灰岩でできており、
三か所にアンモナイト(タコやイカの仲間で貝殻をもっている)の化石が入っていました。
宮城県の慰霊の塔は、地元では採れない大きなカコウ岩が使われていました。
各都道府県の特徴的な石が見られることを期待して参加しましたが、意外と人造石が多かったり、手に入り易いカコウ岩がよく使われている感じでした。
最後に黎明の塔の展望の良い所に行きました。
静かな中、青い空と青い海がどこまでも広がっていました。
65年前に悲惨で愚かな戦争があったとは実感できないくらいでしたが、慰霊の塔の岩石を観察しながら、一味違った慰霊の一日になりました。
解散後の冷たいお茶とかき氷でやっと息を吹き返すことができました。