名護層の地質観察
2016年 09月 12日
まずは自販機でペットボトルの水分を確保してぶらついていると、漢那ワラビ墓や
海辺に出ると砂浜一面に広がる軍配ヒルガオ、
食草のホウライカガミとチョウのオオゴマダラ、
毒の強いオキナワキョウチクトウ(ミフクラギ)の一見食べられそうなたくさんの実、
磯にはクロフジツボと黄色い鳴門状のカサガイの卵塊、
海水から遠く離れて生活するイソコンペイトウガイ、
嘉陽層の傾斜した地層、
サギの仲間などに出会い、時間を有効に使うことができました。
集合時間になるといつものように地質ファンが50人以上集まり観察会がスタートしました。
嘉陽層は泥からできた泥岩と砂からできた砂岩の地層が、圧力や熱の影響で最初の性質が変化した変成岩にあたり、
真ん中にV字に地層が褶曲し、右側に大きく湾曲した褶曲地形がみられ、化石は出ないものの7000万年前の地層だという説明がありました。
化石が出ないのに7000万年前の地層だとなぜわかるのか?という質問も出て、地層に含まれる放射性物質のアルゴンの調査で分かったということでした。
この嘉陽層(下)の上に琉球石灰岩層がのっており、二つの岩石ができた時間に連続性がない関係を不整合というそうで、
琉球石灰岩層は水を通しやすく、嘉陽層は水を通しにくい地層なので、
ちょうどそこから湧き水が湧き出す仕組みの説明が「まな板と水を含んだスポンジの関係だ!」と、とても分かりやすくてみなさんガッテン!のようでした。
また、この場所は海水の力で削られた海蝕??洞にあたり、地層の不整合面や褶曲や断層などの弱い部分のとても削られやすいところだったという説明があり、これもみなさんガッテン!のようでした。
さらにこれらの地層は、プレートに載って運ばれてきたもので、琉球海溝の沈み込み部分で沈みこめずに大陸側にくっ付いて沖縄島を形作った「付加帯層」が陸上に姿を現したものだという難しい説明もありました。
いろんなことを熱心に学習しあい、お開きの会でAさんが「日常とかけ離れた世界の話が多かったが、とても楽しく興味が持てた。」と感想で述べ、小学5年生の女子はたくさんの化石を採集し、展示会をやっているので、見に来てほしいという要請もあり、次回の再会を約束しました。
帰り道の金武町で食事をとり、湧き水で有名な金武大川(キンウッカー)に寄り、
その水量の素晴らしさと
親水公園で遊び回る子どもたちの姿に癒されるひと時を過ごすことができました。