11月23日の観察会は季節外れの台風27号の沖縄接近で当日の朝まで大雨警報が出ていて開催が危ぶまれました。急に寒くなったこともあり、キャンセルが11人もありましたが、だんだん天気も回復し、夜にはなんとか観察会ができることになりました。
夜の観察会は4月以来で、夜の十時までに参加者17名とスタッフ5名が集まり、貝のコマまわしとタカラガイの笛遊びを楽しむことができました。
それに、今回は「観察会参加者数4000人突破記念の日」に当たり、4000人目のKさんをみんなで拍手でお祝いし、記念品(
2019.11.19、参照)を受け取ってもらいました。
その後はいつものように海での約束事や注意事項をお話して海に向かい、
最初に、昼間では見かけないカサガイが2匹仲良くエサを食べに移動してきているのに出会い、「食べられるのか?」「おいしいのか?」と話題が弾みました。
また、岸辺にたくさん落ちている巻貝には全部ヤドカリがすみこんでいることが分かってビックリ!
次にカタツムリのような角の先に目玉を持つイソアワモチが現れてグミのような感触をみんなで確かめ、
岸辺の岩場にあいた一つ穴はカニの住み家で二つ穴は岩の中に二枚貝が住み込んでいることを知り、
これらの生きものが食事をすることを通じて沖縄のきれいな海づくりに貢献していることを知りました。
海に入るとぐっすり寝込んだハゼの仲間が横たわっていたり、
寝ぼけたハリセンボンがたくさん現れ、愛嬌のある表情にみなさんとても興味深そうに観察し、写真をたくさん撮っていました。
ナマコの仲間は最初、右からクロナマコやニセクロナマコ、珍しいチズナマコに出合い、
その後オオイカリナマコや
クリイロナマコにも出合い、感触の違いや毒のあるなしを知り、みんなで砂や泥から栄養を摂り、きれいな砂や泥のウンコをしてきれいな沖縄の海を作る役割を果たす海の掃除屋さんだ!というということを学習しました。
海草藻場には毒針を持つ危険で大きなイモガイがいたり、
赤い体に小さな黒色で縁取りされた白い斑点模様を持つコモンヤドカリ、
岩場ではゴカイの仲間で、水中花が咲いたようなケヤリムシや
岩の下にはガラスの針のような毒針をたくさん持つゴカイの仲間のウミケムシや
岩のくぼみに4匹のハゼの幼魚が寝ていたり、水面を懐中電灯で照らすとグルクンの幼魚が光に驚き、たくさん水面から飛び跳ねる様子を見ることができました。
ヤドカリを砂潜りの名人技で待ち伏せ、襲って食べる肉食のカニのソデカラッパが見つかり、砂に潜るかわいいしぐさも楽しむことができましたし、
七つの突起とかわいい二つの目玉を持つクモガイも現れ、「きれいな貝ですね!」「この貝おいしいですか?」と会話も弾みました。
みんなが一斉に懐中電灯の明かりを消し、足元の海草藻場をかき回すとピカピカと青白く光る夜光虫とぼおっ~と長時間輝くウミホタルの世界をみなさん初めて体験し、「きれい~!」「こんなの見たの初めて!」と興奮しながらとても楽しんでいました。
また、海草藻場に空いた1~2cmの巣穴にすむ赤いトゲアナエビを周りに生えたリュウキュウスガモの海草を使って「トゲアナエビ釣り」の遊びにチャレンジすると、
エサの海草のリュウキュウスガモを両手のはさみで取りに来るトゲアナエビとのやり取りが面白く、
「すごい力で引かれた!」「草をとられました!」「これは食べられますか?」「釣りあげられないのですか?」とみなさんとても熱心に楽しむことができました。
冬になるとどこからともなく現れるぼろほろの古靴のようなイメージのタツナミガイのペアーに出合い、
体内に隠し持った「立浪型の貝殻」を指で探すと怒って紫色の毒々しい汁を出されてみんなで悲鳴を上げる場面もありました。
最後に大きなブロックについたフジツボ、オハグロガキ、オニヒザラガイなどはみんな生きていて干潮時の今はピシッと殻を閉じて乾燥を防ぎ、満潮時になるとプランクトンや藻類を食べて生活し、ここでもきれいな海づくりに貢献していることを知りました。
「楽しかった!」「また来たい!」との感想を語ってくれた真夜中の観察会を無事に終えることができました。
みなさん、お疲れさまでした。